kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「あと10年」

マルケス作「百年の孤独」にはぶっ飛んだ人物が目白押しに出てくる

初代ホセ・アルカディオ・ブエンディーアと従姉の関係にあったウルスラ・イグアランの間には3人子供が生まれる 次男のアウレリャーノ・ブエンディーアは天才で不完全ながら予知能力さえ持ち合わせている そのため革命を起こし大佐となった時 十数回の毒殺を免れている この次男に燃えるような恋心を抱いているのが 3子の長女であるアマランタ 実兄であるので打ち明けることも出来ず 大人になってからはなぜかずっと喪服で過ごすようになり 独身のまま老年期に入った時 「自分は あと数年後の〇月〇日に死ぬから もし神様への願い事や手紙やお礼などあれば 私に持たせてくれるといい」と突然言い出し 新しい豪華な喪服を糸の段階から作り始める

それを聞いた村人たちは半ば呆れながら 一丁だまされてやろうかと 棺にドッサリ手紙などを入れ当日が来た アマランタは自分が予告した日 自殺でも病気でもなく死んだ

 

私は昨日の夜2kmのウォーキングをした 歩行速度は大体時速15kmというところか…

海岸の突端部分を右手に回ると真っ暗な道がある 見えるのは遠くの灯りだけで 足元は全く見えない

その時 ふと自分の死について考えた 「あと10年」父親より一歳長ければ親不孝でもないだろう

ファン・ゴッホは37年の生涯の内 最後の2年で傑作を生み続けた その倍も生きたのだ 絵が描けないだの 健康がどうのなど 年をとったからなどと言わけできるわけもない

 

「人はいつ死ぬかわからない」 こんな当たり前の事を言葉にする意味はない

 

だからあと10年 正確には9年で自分を燃やし尽くそうと思った

そのほうが スリルがある そして何より年金問題で若者には都合がいい

「平均寿命」なるものから逆算し 早かった 天寿だった と考えるのは愚かしい

人間60を超えたらいつ死んでもおかしくない

ならばあと10年で自分を完了しなければ そういう生き方をしなければ。と思った

夜明け前 今日も歩いた 帰り道を帰るように人は終わりを迎えるものだ

でも…夜明け前はやっぱり 一番暗くなく結構明るかった

 

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