kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「親の心の子知らず」

…とは よく言ったもの。 語源は室町時代「源平期」まで遡るということだから 筋金入りのコトバである

押入れを開けると 度々こんなものが出てくる

小学校入学時 身長1mよりほんの少し上 体重20kg足らずの娘のためにあつらえたランドセルは「ともかく一番軽いモノ」

それだけを求めて何軒も探し回った 実際 夏休みの一日前の終業式 娘が教材を持ち帰るのに大変だと判断したのか 学校そばの花屋のオバちゃんが突然走り出してきて 大きな袋を持たせてしまう 万事こんな感じで それは大学院でも変わらず 雨の日 担当の女性教授が「私は元水泳部だから」と 娘に「傘」を渡して去って行った 

か細く ヒョロヒョロで 小さく「赤ちゃんマン」のようだと言われた娘の影はもう潜め 私が電話をしてもLINEをしても返事は一向に来ないし(これは私の遺伝なので何も責めることは出来ない)近頃は母親である家人が連絡しても返事が返ってこず 「引っ越しするにあたり当人に何を返却したらいいか?」と尋ねてもナシのつぶて。やっと返ってきたとおもったら「マンガのアレと一連のぬいぐるみとか」指示的でムッと来た だが圧倒的に数が多く ホコリ除去作業がやっかいなのは

家だか城だか車だかも含めてゴチャゴチャであるのに これをどうやって返せと?

 

これらの小物まで黙々と拭いている母親を見ていると 娘に無性に腹が立ってきた…

「ランドセルもこれらも全部送り付けてやる」

 

2歳になっても母乳しか飲まず 平均体重からドンドン外れて行った当人 もう何も覚えていない

 

英語の類義語はもっとシビアである

「You don’t know what you have until it’s gone」

(あなたは何を持っているかを知らない 消え去った後にしか)

 

kei