kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「混沌」 エントロピー

近頃はネットで動画を観て学ぶのが愉しい

 

エントロピー とは「原子的排列および運動状態の混沌性・不規則性の程度を表す量」

 

「時間」とは何か? という動画でエントロピーについて話が出てくる

ホーキング博士に言わせれば「3つの時間がある」とのこと

1 宇宙論的時間の矢

2 熱力学的時間の矢

3 心理的時間の矢

 

1は 138億年前ビッグバン以降膨張し続ける宇宙規模の時間ということだろうか…

3は なぜ人は 存在してたかも怪しい「過去」を知っており 「未来」は分からないのか という認知と記憶に関わる時間という感じ

問題なのは2で ここにエネルギーに纏わる エントロピーの話が出てくる

個体は ブラウン運動という振動を起こしながら固まっている状態

液体は 原子や分子が流動性を帯びた状態

気体は 原子・分子の連結が切れ空気中に拡散している状態

これらの中で最もエントロピーが低いのは個体 最も高いのが気体ということになる

 

熱力学第二法則(クラウジウスの原理)が正しいことが近年検証されてきている

これは 水の中に氷を入れる⇒水の温度は下がり氷が溶ける だがいくら氷を沢山入れても水が氷ることはない。ということを示している もちろん「冷凍庫に入れる」という行為をすれば話は別だが 「エントロピーの状態は高まることはあっても 下がることは無い」という事実からも時間を説明できることから 熱力学的時間の矢がある と言っている

 

ふすまで仕切られた2つの部屋がある

片方の部屋は室温10℃ もう片方は室温90℃ だとする ふすまを開けると2つの部屋共50℃になったとして 量子的に考えれば10℃の空気と90℃の空気が混合された状態なので50℃となることになるので「2つの部屋の中では10℃の空気と90℃の空気が混ざり合っている」このように混沌の状態が上がること=エントロピーが上がる ことになり 逆の現象は起こり得ない(エネルギーを与えたり引いたりしないで10℃と90℃の2つの部屋に戻すことは出来ない)ということらしい…

 

こういわれてもピンとこなかったので 私は「色」で例えて考えてみた

「ピンク」は「白」と「赤」という2つの原色を混合した色である(白は原色とは言えないが 他の色から生み出せないという意味で とりあえず原色としよう) なので小さな点で白と赤を点描しても 離れて見ればピンク色に見える こうして考えると「赤や白よりも ピンクはエントロピーが高い」ということになる

「黄土色」は「黄緑」+「朱色(濃いオレンジ色)」で作ることができる

なので「赤」「青」「黄」の3原色の混色であるということになり 3色のため ピンクよりもさらにエントロピーが高いことになる

そして現実には「ピンク色や黄土色になってしまった壁面を 色を分解して原色に戻すことは出来ない」という不可逆性も熱力学第二法則と似ている

 

「新印象派」に属するJ.スーラという画家は点描で描いた

有名なのはこれか…『グランド・ジャット島の日曜日の午後

量子力学的・熱力学的に見ると この絵は興味深いし 点描の面白さを再発見した

 

そして時間の経過というものが エントロピーの数値(度合い)の不可逆的増大だとすれば 「高度情報化社会」によって 様々な交錯した情報がドンドン入り込むこともまた エントロピーの増大に似て ますますカオス(混沌)の状態が増す一方…ということになりはすまいか。

 

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