kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「みていた」

今から8年程の 日記のような詩のような 文章が出てきたので載せてみようかと…

 

 

 みていた


少年がアニメをみていた


それを 母親がみていた


その母親を 窓の外から野良犬が見ていた


その野良犬を 昨日ちょっかいを出された猫がじっと見ていた


猫に 猫好きの少女が寄って来て


その少女を 老婆が昔を思い出しながら見守り


老婆の曲がった腰に目をやって 母を思い出す中年男がいる


中年男を 疎ましい目で若者が睨み


若者と 若者の横に止まっているオートバイのタンクに映る自分の姿を見るカラス


さっき カラスに縄張りを横取りされた メジロは空を見つめ


飛び立とうかと かんがえる


飛び立ち 空から夕暮れの下界を 眺めてみようかと かんがえる

 

 

 

 

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