kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「12時 1時間の散歩」

昼 海浜公園にむかって散歩に出ることにした

安室奈美恵さんが毎年花火をプレゼントしてくれる場所

体育館のそばに植わっていた「アダン」の樹 そのままでは食べられないが 戦時中はアクを抜き でんぷん質だけ搾って何とか食べたそうだから 戦時の地獄のような空襲を想起した

一番広いグラウンドでは 10チームはあるのではないかと思う程の「老人ゲートボール大会」が開かれていた 様々な色のノボリがあって「〇〇老人会」とか「〇〇老人クラブ」とか…チーム名にどうして わざわざ「老人」という言葉を使うのか よくわからなかった 見りゃわかるし そんなノボリを見たところで 自分が老いたと念を押される気分になるだけだろうに 私は老人会にもゲートボールクラブにも入らないだろう

 

グラウンドのそばの道で若者がスケートボードの練習をしているたいた 今日は休みなのか 求職中か それとも高校をサボってやっているのか知らないが 爺さん婆さんのゲートボール大会会場から近いからなのか どこか恥ずかしそうで不器用だった 年齢差がその理由だったかもしれない

出島を一周して 1時近く 帰りに大会を見たら 表彰式が行われていて 90何位まで順位発表が行われ その後「年齢順位表彰」が始まりだし 第1位は 110歳のお婆ちゃんだった

スケボの若者はいなくなっていた

老人にとっちゃ「曜日なんて関係ない」わけで 大会が月曜だろうが火曜だろうが 今日の様に木曜だろうがいつでもいい 今日偶々休みだった私もいずれそうなっていく

琉球石灰岩の地面や壁

要は珊瑚の化石 ブツブツした肌は生きていた証拠だ 建材に使われているが なぜか珊瑚のままなんじゃないか…って思った

 

生きている 死んでいる それに大きな差はないのかも知れない

「生きる」ということは 歩き続けることと似ている?

広い道を歩いていれば 少しくらい左右に寄ってあるいても ズレても大丈夫

それは「安心の未来」みたいなモノかなぁ…

でも こんな風にタイルが敷き込まれた道を 一線だけのタイルの上を歩き続けなければならないとしたら まるで「綱渡り」のようなものだから「不安な未来」かも知れない

ダラダラ歩いたり 一線だけ歩いたりして 

「未来など 安心も不安もないはずのもの」という気がした

動物はそうやって生き 死ぬんだから

 

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