kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「火の輪をくぐる時」

これも娘婿との会話の終盤 思わず出てしまった言葉

「シンギュラリティ(技術的特異点)」については ここでも何度か書いた それが25年後か30年後に起きるとか起きないとか…確かに「頭脳という点で コンピューターが人間を完全に超え さらに優れたコンピューターの作り手は人ではなく コンピューターに代わり 指数関数的に高度に発達していく」という 境界線もしくは特異点はその時確認されるかも知れないが 人間とコンピューターとの関係性は既に10年以上前から変容し続けていて ネガティブな表現だと「もうコンピューターに相当浸食されているのが現代であり 人間側はそれを『便利』と思い込んでいるに過ぎない」のだと思う

エネルギー問題 自動車のオート化 決済システムの簡便化 ドローンの高性能化 セルフレジ…例を挙げればキリがない もう半分程度はコンピューターに食われている これがAIになると 文書の作成 写真を凌駕する絵画表現 都市計画 建築 に留まらず 哲学や宗教も含めた文化にも影響を及ぼし 「主客逆転が(人間側に)無自覚のまま起こっている」ということになる

人の能力 労働力を査定するのはAIであり それに抗えなくなる

これも以前書いたことだけれど 「賄賂体質」がAIと対義となる程 重要な事なのかも知れない 「贈賄・収賄は人の常」であり 過去の歴史も現代の多くの国々もこれによって統治されていた・されている という現実がある

かのロシア 国防のために国が直属の部下に相当額の金を渡したが 部下の部下 その部下の部下と仕事が回っていくうちに いざ設備を整えようと思ったら「0円だった」という実話が 今存在する

先進国 GDP世界2位 とのたまう中国もまた「賄賂横行国」であり 北朝鮮など言わずもがな… 途上国に至っては「賄賂体質でない国」を探す方が難しい

2年生活したバングラデシュもそうだったし 「賄賂」がどれほど 人の心を蝕み 親子関係を狂わせ 国の発展を大きく停滞させるものか 実際の目で見た …これが「人間的社会」であるのかも知れず 確かにAIとは反りが合わないことだろう

 

人には哲学があり 宗教があり 愛がある   だが 愚かである

 

コンピューターが AIが 科学技術が 人の愚かさを補完するか? しないと思う

それらは人間が窺い知れぬ方向から 浸食し始め 食い尽くしていく そしていずれは 不完全な人間を矯正する者となるだろう その時には「不完全は悪」となる

義理の息子に 私の寿命ではそれを見 知ることは無いかもしれないが 君たち以降の世代は当然に立ち会うことになる それはまるでサーカスの「猛獣の火の輪くぐり」 

君もくぐることになると思う と言った

徐々にコンピューターが人間らしくなるだけではない 人間もコンピュータに近づいていく

問題となるのは「いつ火の輪をくぐったか自覚できるか」ということだろう

 

kei