kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

未完成の「人」

高校生の頃の自分の夢を見た 後輩に自分の持っている一番いい音が出るギターアンプを勝手に使われ 壊され鳴らなくなっており それをごまかすようにベタベタとステッカーが貼られていた 私は後輩を呼びつけ 壊された事実と 平然としている表情と 誤魔化し行為に対して腹を立てていた…目覚めた後 まだ自分の中に「直して返せ」などという モノに執着するミミっちぃ心があることに呆れた まだ心はガキのままだ と思った

 

pex.jp

こんな記事を読んだ

孤独死となった人の死亡原因で最も多いのは「病死」ですが、2番目に多い理由が「自殺」で、この調査期間における「自殺」による孤独死者は全体の10.9%となっています。(中略)

性別・年齢別にデータを比較すると、20代女性の自殺による孤独死者の数が多いことがわかったのです。その割合は39.2%と約4割を占めています。全自殺者数における20代の割合は1割強ほど。そのためレポートでは、20代の女性の自殺による孤独死が特に目立つのは、賃貸住居入所者に特有である可能性を指摘しています。

少子高齢化の中でこのような現実もある

 

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news.yahoo.co.jp

25歳、瀬戸内は生まれて初めて恋に落ちる。相手は夫の教え子だった文学青年だった。「初めて恋愛したんです、そのときに。結婚は見合いでしたからね。だから初めて恋愛して。恋愛ってのは、ちょうど、雷が落ちてくるみたいなもんでね、もう防ぎようがないんです。気がついたらもう打たれているんですね」(中略)

「家を出る名目としてね、どうして出るのかって言われたときに『男に惚れて出ます』って、みっともないからね。小説を書きたいって言っちゃったんですよ

名古屋駅のホーム 泣き叫びながら追う3歳の娘を置き去りにして瀬戸内は列車に乗る。このことが彼女の一生の後悔 棘として残り続け 作家活動 出家につながっていく

瀬戸内は言う

「いろいろな戒律があって自由でないのではと思われるのですけれど、仏様というのは、そういうことも全部見通していらっしゃるので、もう何をしたって、仏様に見られる。仏は私を許してくれている。そういう感じなんです。だからとても自由です」

「人を救ってるなんてただの一度も思ったことない。救えるなんて思っていない」私もそうだと思う

「人間ってのはどうしようもないものですよね。これしちゃいけないとわかっていても悪いことをする。自分の心が自分で自由になりませんでしょう。あっち行っちゃいけないって、あっちには何か悪いものがあるよってわかってても行きたいでしょ。今日はお酒飲んじゃダメだよって思っても飲みたいでしょう。よその旦那さんだから惚れちゃいけないと思っても好きになったらね、そういうこともありますよ。だからね、もう本当しょうがないのね、人間は。(略)」 

ここまで達観は出来ない その境地に達した者だけが言えることだろうと思う

 

最後にミケランジェロの彫刻を紹介してこの記事を閉じようか…

彼は生涯で4体の「ピエタ」を手掛ける その内完成したのはサンピエトロ寺院 システィナ礼拝堂に鎮座している 30歳で完成させた作品

ギリシャ・ローマ彫刻を凌駕しようとする野心と力量が見て取れる この1000年前にも500年後も これを超える作品を人類は作れていない

 

しかしミケランジェロは年を追うごとに「完成」に疑問を持ち始める

奴隷像のひとつ「アトラス」

実際文書で「完成するという事はどういうことだ?何の意味がある?」と自問している もうこの思考は現代美術に近い それほど時代を超越していたことになる

そして89歳 腰が曲がり ほとんど目の見えない状態で死の寸前まで彫っていたピエタも第1作目と同じ「イエスとマリア」だけのピエタ

この状態でこの世を去ったわけだから 未完成であるのは確かだと思う

けれど脚部はしっかり彫られている なぜそこから彫り始めたのか…

エスとマリアの表情は荒彫りのまま「朧げ」である

でも 何故か いや だからこそ「本当の人」であるようにも感じられ

その意味で 完成しているのではないか…と思ったりする

 

まとまりのない記事 こんな思いや思考が頭の中を巡っている

 

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