kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「どっさりネガティブでどっさりポジティブな人の国」インド

前々回 自分で書いた記事にまだ拘っています。 少しばかり彩色し再度表を載せると

働く「不幸感」と「幸福感」の数値で 日本と対照的なのは「インド」と書きました

インド人口は14億人を超え 中国を抜き世界一になったそうな…

少子高齢化が加速度的に進む日本 超加速度的に進む韓国とは全く異なります

働くことに不幸せだと感じているのに どうして子どもは増え続けるのか…

20代後半 隣国バングラデシュ ダッカに2年間住み 2年間の内で1度認められる海外旅行ではインドに行ったので 30年程の以前のこの地域の様子は何となく想像ができます

バングラデシュという国はイスラム教徒が大半を占めているので 夜明けにはとんでもなくデカい音で「アザーン」(礼拝)がスピーカーを通して鳴り響きます とは言え スタッフの中には「ブッデスト(仏教徒)」のアジア系の人がいたり ビルマ系民族でよくわからない宗教の人もいましたし 陶器を買い付ける場合は「ヒンドゥー教」の人々に限られていたので いろんな宗教を持つ人々と交流がありました

また バングラデシュの国語は「ベンガル語」なので 10以上の言語を持つと言われるインドでも東地区コルカタカルカッタ)ではベンガル語が話されていたので その地ではスムーズな会話が出来ました インドでも数多の宗教がありますが 主な宗教といえば「ヒンドゥー教」 それから「イスラム教」(さらには「ジャイナ教」「ゾロアスター教」とか…)も結構いたと思われます

ヒンドゥー教には厳格な「カースト制度」が存在し それは今現在も存続しているでしょう 紀元前13世紀に生まれたこの制度 「バラモン(僧)」を最高位とし 次に「クシャトリア(貴族)」「バイシャ(平民)」「スードラ(奴隷)」という階層を形成し 実際はさらに下の階層もあり いわゆる不可触民(ハリジャン)が存在しています

ハリジャンが世襲的に担う仕事は「ゴミ回収」「下水掃除」であったり「死体処理」であったり…いわゆる「普通の人」と呼ばれる人々が忌み嫌うとされる仕事をしており バングラデシュでも度々そのような人々を見かけました

また「バラモン」のお宅を訪問したこともあり 現地の友人の助言では「バラモンの影は踏んではいけない。不敬に当たるから」とのことでした

インド及びバングラデシュはほぼ同系の民族なのでしょう

最初期は「アーリア人」という白人の民族が移り住みました その後「トラヴィタ人」という黒っぽい肌をした民族が入り込んだので 両国はこの2つの人種の混血と言えますが この「肌の色がカーストと重要な関連性をもっている」ことが住んでいるうちにわかってきました

コルカタから南西に位置するムンバイ(ボンベイ)に行ったとき 驚くような美人や美少女を目にしました 彼女らの肌の色は白でした そしてそのような人が出入りするレストランに入ると 私は白い女性達から「蔑み」の目で見られました 「黄色人種」などという下賤の者がここにいるべきでない…という無言の圧力

逆に「不可触民」と言われる人々は 驚くほど「真っ黒」 眼だけが強く印象に残りました  …なので イスラムであろうが ヒンドゥーであろうが 「肌の色」が高貴さを表わす血統なのであり 肌の白い女性は肌の白い男性と結婚し イギリスなどに留学し英語しか話さない 肌の黒い女性は肌の黒い男性と子を作りつづけ 当然に小学校もマトモに通えず「労働力を担う役目」として育っていきます。

1950年 インドでは「差別禁止法」を作ったようですが 法は法でしかなく アメリカと同様 肌の色による差別は解消されていません

 

こんなことですから「生きるのが 働くのが辛い」と答える人が少なからずいるのも頷けますし 自殺数も統計よりもはるかに多いと察せられます

 

ただ それだけではないのが「インド」という国の面白いところ

 

数学においては非常に優れた人材を輩出し 欧米のIT企業の幹部を務める人も少なくない一方 農村部では100年前から変わらぬ生活をしている人々もいるし 素っ裸の行者はいるし 「額が少ない!」と怒り出す物乞いの人もいたし 本当に千差万別

でもそんな人々が死を迎えた時は 大抵 ガンジス川本流または支流の岸に設置された石台の上で燃やされ その灰は川に流されます…

ネパールに行った時はその場所に行き 日長様子を眺めていました

大きな声を上げ泣き叫ぶ遺族 声と涙で満ち こちらの胸も痛くなるほどです

ただ 死者を燃やすため 不可触民である「火葬人」が薪束を持ち込み始めると 遺族の数名が火葬人と談合を始めます それは唾を飛ばし合う口ゲンカの様相で 一体何でモメているか言えば「薪の値段」なのです 日本で言えば10円か20円の違いで喧々諤々やっているわけです そして何とか折り合いがつき 並べられた薪の上に死者が載せられ さらに薪が積み重ねられ 火が点けられ 死者は燃え始めます

そうするとまた 当初に戻って 遺族の涙と嘆きの声が炎を包み込みます

と 同時に川の浅瀬に両足を突っ込んで 区分けされた木箱を抱えタバコやガム 飴を売り歩いている少年がいたり… そんな風景が「自然」として映り

 

「ニンゲンっぽいなぁ…」と 私は感じました

 

そうやって考えると 「嘆きも喜びもほとんどない日本人」って一体何なんでしょう?

20代から40代に至る人々の80%が「未来は暗澹としている」と感じている日本人

 

ネット動画で日本のテクノロジーを見れば 希望も湧いてきます

日本近海に大量に存在する「メタンハイドレート」これで100年間 日本は自前でエネルギーを賄うことができるようになります

EV車よりも クリーンで(EV車自体はクリーンだけれど「発電」のため結局のところ石油・石炭を膨大に消費する)長距離を安価で走れる「水素自動車」の最先端はトヨタです

IT関連では「2ナノメール チップ」の開発に向けて 日本 アメリカ 台湾 欧米が鎬を削り 時に協力し合いながら開発を進めています 現在のチップの限界は5ナノメートルですので 2ナノメートルになれば 集積率 電力効率 性能が格段に上がります そして 今世界を席巻しようとしている「中国」「ロシア」では達成不可能な技術であると言われているので それは軍事技術にも影響するでしょう 現代戦争はITの力が勝敗を分けるのですから…

 

能力としては パイオニアを生み出せる素地を持つ「日本という国」

 

無感動 追従するだけの ただの歯車になっていいワケがありません。

kei