kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「スキゾフレニーとパラノイア」

2019年06月20日 記事一部改訂

 

浅田彰著の「逃走論」には 「スキゾフレニー」「パラノイア」この2つの言葉が頻出する 読んだのは大学生の頃だったから浅田氏の未来予想の鋭さに驚嘆する


ヤフー知恵袋にこのような問答があったので紹介

Q
あなたはスキゾフレニーですか? パラノイヤですか?
スキゾフレニー・・・気分屋。引越し好き。一匹狼。運まかせ。いきあたりばったり。ワイルド。
パラノイヤー・・・日本人に多い。定住する。その道一筋。頑固。協調性や家族愛を重んじる。過去を引きずる。
俺はスキゾフレニーに憧れるパラノイヤーです。

A
私はどちらでもありません。
スキゾフレニア(schizophrenia), パラノイアparanoia)ともに精神病です。
人間には性質として、どちらかの疾患に似た状態があるかもしれませんが、正常な人間では、あなたの列挙されたどちらの性質も現れうるのです。つまり精神的に正常人間はあなたの列挙した、スキゾフレニー、パラノイヤー両方の性質をもちうるのです。
どちらかに顕著に別れることは精神疾患以外ではまずありません。顕著に別れていれば、それこそ分裂病(スキゾフレニア、シゾフレニア、シゾフレ)や偏執症(パラノイア)になってしまいます。また顕著に別れていたとしても、あなたの列挙するようなもので、スキゾフレニアやパラノイアが診断できるわけではありません。

これらの問答を見るとQの方は「逃走論」を読んだ方で Aの方は医者等病院関係の人 という感じがする

Aの言う通り これら2者は極端な場合 医学的には「精神病」ということになるが「うつ」「情緒障害」「精神病質」「精神病」など 先の医者の判断も実際「何に当たるのか 本当はどうなのか 怪しいところがある」

だから 浅田はそのような意味で用いたのではない Qに近い感覚で「逃走論」を書いたと思われ(かといって全く精神病の世界と切り離されているというわけでもないが)

実際 昨今起きる失踪や殺人事件等の根底には スキゾフレニアとパラノイアが関係している可能性がある


そして 浅田は40年前「パラノ型人格の多い社会からスキゾ型のタイプの人間が増える」と この書で記している

それが 「おひとり様化」「終身雇用の終焉」から「子育てにおけるネグレクト」までつながっているやも知れない

「良い」「悪い」ではなく 社会がそちらに向かっていくことを予見していたのだと思う


私自身を振り返る時 「病的」とはいかないまでも スキゾフレニーの要素を少なからず持っている気もし 家族や子を持つ者として それをある程度抑制している部分がある気もする(今は「した」かな?)

私は動物と一緒に暮らしたいが ローンを組んでまで「家」を持ちたいとは思わない

いざという時 身動きできなくなる自分が怖いのだと思う


ともかくも 精神病としての見方も含めて「生き方の傾向」として この2点の切り口は 今の日本に影響を及ぼしているの確かだし 今後はさらにそれが進むだろう

 

kei