お笑いタレントの方々が出演しているのを リビングで放映されているのをごく短時間傍目で聴いています。私はTVにはあまり興味がなくてNHKのドキュメントや科学番組を観る程度でしょうか…
「元」と呼んでいいのか 現役なのか分かりませんが お笑いタレントの誰かが番組のMCやコメンテーターをやっていることが今日珍しくはありません。
お笑いBig3を礎としてか いろんなお笑いタレントが よく話し 時にマジメに 時に笑いを誘っているようです これには「現代日本の世論が反映されている」と私は考えています
決して二枚目とは言えないタレントさんも モデルさんであるとか 女優さんであるとかと結ばれたりするのは 男性であるお笑いタレントさんの「トリックスター性と適度な忖度や節度」があるからで TV局の許容範囲内でジョークを飛ばし 論争となれば 笑いを取りながら仲介までやってのける
なぜ それができるのかは彼らの「人生経験」によるものでしょうし 売れっ子となれば収入も良いため いわゆる「美女」と結婚できる
家庭では良き父をやってくれそうな期待感が持てますし「許容範囲が広い」ということなのか 妻となる人に安心を与えられるのかも知れません
ですが 彼らは トリックスターではありません。
忖度できるなら 物議を醸さないなら それは「疑似トリックスター」
人の性質の中に4つの特性 これが4人でサバンナに狩りに出かければ4つの役割に別れます ①頭目 いわゆるリーダー ② 狩人 実際に獲物をしとめる身体機能が高い者 ③ シャーマン 何処にどの方角に向かえばいいのか予言する役目を果たす ④トリックスター いわゆるトランプのジョーカーであり 転覆者 狩りが成功しても獲物を誰かにあげてしまったり 失敗しても落ち込むことなく他の3人を笑わせ励ますことができる
これら4つが「職業のアーキタイプ」と呼ばれるもので それがさらに同種の4つに分岐して 頭目の中の頭目は「政治家」となり シャーマンから派生した狩人は「教師」になったりするわけです そして現在は第3分岐まで来ており 第4期を迎えようとしています 興味の湧いた方はポール・ラディン、カール・ケレーニイ、カール・グスタフ・ユング、山口正男共書の「トリックスター」を読んでいただければと思います
あなたの職場に 何よりあなたの中に トリックスターはいますか?
頭目・狩人・シャーマンはゴロゴロいると思います 利益や成果を上げるために必要な人材だからです ですがトリックスターは 10匹の働きアリの中で1匹だけ「遊んで何もしないアリ」に似ていて それならまだいいですが 場の雰囲気を壊したりしてしまいます ですがこの人材がいないと ギスギスしたり閉塞感が場に漂います 同一視しているわけではありませんが”働きアリ100%働く巣は全滅する” 過労死してしまうのです。
ただし 今は「失言」をしただけで「即炎上」となってしまう社会なので 本物のトリックスターは出てきにくい状況です
トリックスターは破壊者であり 創造者です そのような人間を育てられなかったのが現代の日本の「低成長・低賃金」に結びついているようにも思われますし 一人の人間の中にある生命力もトリックスターが関わっているように思えます
毒を吐かなくなった 元お笑いタレントのMC番組では何も変わらない
私はそう考えています
kei