kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「トリックスター」

お笑いタレントの方々が出演しているのを リビングで放映されているのをごく短時間傍目で聴いています。私はTVにはあまり興味がなくてNHKのドキュメントや科学番組を観る程度でしょうか…

「元」と呼んでいいのか 現役なのか分かりませんが お笑いタレントの誰かが番組のMCやコメンテーターをやっていることが今日珍しくはありません。

お笑いBig3を礎としてか いろんなお笑いタレントが よく話し 時にマジメに 時に笑いを誘っているようです これには「現代日本の世論が反映されている」と私は考えています

決して二枚目とは言えないタレントさんも モデルさんであるとか 女優さんであるとかと結ばれたりするのは 男性であるお笑いタレントさんの「トリックスター性と適度な忖度や節度」があるからで TV局の許容範囲内でジョークを飛ばし 論争となれば 笑いを取りながら仲介までやってのける

なぜ それができるのかは彼らの「人生経験」によるものでしょうし 売れっ子となれば収入も良いため いわゆる「美女」と結婚できる

家庭では良き父をやってくれそうな期待感が持てますし「許容範囲が広い」ということなのか 妻となる人に安心を与えられるのかも知れません

 

ですが 彼らは トリックスターではありません。

 

忖度できるなら 物議を醸さないなら それは「疑似トリックスター

人の性質の中に4つの特性 これが4人でサバンナに狩りに出かければ4つの役割に別れます ①頭目 いわゆるリーダー ② 狩人 実際に獲物をしとめる身体機能が高い者 ③ シャーマン 何処にどの方角に向かえばいいのか予言する役目を果たす ④トリックスター いわゆるトランプのジョーカーであり 転覆者 狩りが成功しても獲物を誰かにあげてしまったり 失敗しても落ち込むことなく他の3人を笑わせ励ますことができる

これら4つが「職業のアーキタイプ」と呼ばれるもので それがさらに同種の4つに分岐して 頭目の中の頭目は「政治家」となり シャーマンから派生した狩人は「教師」になったりするわけです そして現在は第3分岐まで来ており 第4期を迎えようとしています 興味の湧いた方はポール・ラディン、カール・ケレーニイ、カール・グスタフユング、山口正男共書の「トリックスター」を読んでいただければと思います

 

あなたの職場に 何よりあなたの中に トリックスターはいますか?

 

頭目・狩人・シャーマンはゴロゴロいると思います 利益や成果を上げるために必要な人材だからです ですがトリックスターは 10匹の働きアリの中で1匹だけ「遊んで何もしないアリ」に似ていて それならまだいいですが 場の雰囲気を壊したりしてしまいます ですがこの人材がいないと ギスギスしたり閉塞感が場に漂います 同一視しているわけではありませんが”働きアリ100%働く巣は全滅する” 過労死してしまうのです。

ただし 今は「失言」をしただけで「即炎上」となってしまう社会なので 本物のトリックスターは出てきにくい状況です

トリックスターは破壊者であり 創造者です そのような人間を育てられなかったのが現代の日本の「低成長・低賃金」に結びついているようにも思われますし 一人の人間の中にある生命力もトリックスターが関わっているように思えます

毒を吐かなくなった 元お笑いタレントのMC番組では何も変わらない

私はそう考えています

kei