kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「灰」

「わだは日本のゴッホになる。」と言い出し版画を彫り続けた棟方志功

この釈迦十大弟子の一作一作に 彼の宣言が嘘でないことが感じられます スゴい作品群です

 

何故ゴッホという画家がこれほど人心を引き付けるのか

 

それは見る人の感性と解釈でいいと思います

 

なので「私なりの解釈」でゴッホについて書いてみたいと思います

ゴッホの絵は生前1枚しか売れなかったことは別の記事に載せましたが 理由は当時 フランス パリの「サロン」を美の基準にしていかたらで 写実的で 美しく 少しの神秘性さえあればもっと好まれたと思います

オーギュスト・ドミニク・アングル等が当時のお手本の代表格 こんな絵 「泉」

その後印象派と呼ばれるモネ ピサロ シスレー スーラ 後期にはセザンヌ ゴーギャン ゴッホが出て行こうとしますが散々けなされ

モネ作「印象 日の出」を見て バカにした意味を込めて「印象派」と名付けられたわけです

 

ゴッホは「後期印象派」に分類される画家ですが 一体何がスゴいのか 絵にあまり興味がない人は理解しにくいかもしれません

ゴッホ日本画の影響を受けただろう「アイリス」を描きます

筆もしっかりていて デッサンも整っている状態 「本来のゴッホ」になる少し手前の状態でしょう 美しい絵です ただ1本の白いアイリス ゴッホの白の美しさは格別です

その後「星月夜」「オーヴェルの教会」で本来のゴッホが出てきます

「人を含め世界全てが美しい」と訴え続けます

もうこの頃は描くことに 歯止めがかかっていないのではないかと感じられ 実際没前は制作数が増加します

 

私はこの絵を見ながら「描いた後『灰』になるだろうに…」と感じるのです

ゴッホという画家の絵は「とてつもないハイカロリーの燃焼」です それは燃え尽きて灰になるのがわかるほどの炎

だから終盤のゴッホの作品の一作一作は「絶筆」となっていいほど と感じます 

この作品からは精神的に相当追い込まれている印象を受けますが…

彼は麦畑で自分の頭を銃で打ち抜きそれが致命傷となって37歳の生涯を閉じます 

この画家の絵は1作1作が自らを燃やすという「自己発火」だと思われ それを37歳に渡るまで繰り返し行った という方がむしろ奇跡かも知れません。

 

スランプだというのにこんなことを書いてはさらに落ち込む気もしますが 自分に火をつけることもしなくては…

 

kei

「花咲くアーモンドの木の枝」