kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「AIは これより美しい少女を描けるか?」

作者    ピエール=オーギュスト・ルノワール  製作年    1880年

『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』

 

ベルギーのアントワープ出身のルイ・カーン・ダンヴェール伯爵の長女イレーヌであり、当時8歳であった 次女も三女も2人並んで描かれた肖像画もあるが

「美少女」を描いた傑作として有名なのはこの絵だと思われる

バロック期 ルネッサンス期には茶を下地とした伝統的な画法で人物が描かれたので このように「印象派的色彩」は存在しなかった イレーヌ嬢の顔の肌の色は透明性を帯び 輝くようである

この絵に描かれた少女の家系は伯爵家であり 豪華な家と大きな別荘も持ち合わせていた だが「アシュケナジウム系ユダヤ人」であったため 第二次世界大戦の折 財産は没収され 2人の妹たちはアウシュビッツ収容所で死亡している ただイレーヌだけは19歳でフランスの富豪に嫁ぎ生き永らえた そこでもイタリア人男と浮名を流したり 随分と自由奔放な生を送り 1963年 91歳で生涯を終えている

 

背景説明はここまでとして 私は考える…

 

「AIを用いてこれ以上の美少女を描けるか?」

 

今のところ「No」なのではないかと思う なぜだろう…あんまりよくわからないが

この絵は「少女の形をとったイメージであり 想いであり 印象だから」かも知れぬ

もちろんタブレット画でもAIでもそれはできる

もし ルノワール当人がタブレットを用いて描けば可能だろうと思う

しかしルノワール以外 人間だろうが AIだろうが描けないのではないか…

 

AIの進化によって 多くの職業が失われていくと囁かれている中

この作品を見る限り「人間にしかできない。」と感じてしまう

 

kei