天地創造三日目の大地、海、植物の創造時で、まだ人間は誕生していない
不思議な絵だ。天動説か 地動説か…よくわからない地球
この絵の作者も前記事に載せた絵と同様ヒエロニムス・ボッシュである
興味ある方は 快楽の園 - Wikipedia
お読みいただければ…良いかと思います
私なりに手短に解釈すると 3枚繋がりの宗教画は教会に展示されることはよくあったらしいが 教会に飾るほど「快楽の園」は品が良くない
①画面左は神を中心にアダムとイブがいる
②画面中央はアダムとイブを祖として人間世界が生まれるが 快楽的かつ性的で 幻想的な動物や倒錯的・背教的な表現も見られる
③画面右は「地獄」である それもボッシュ独自の表現が際立った傑出した絵
「樹幹人間」と「耳の戦車」
と とりあえず名付けられている場面でも性的な表現が見受けられ「耳の戦車」はその典型に見える
wikiではこの壁画の主題は「性に耽溺し現実を見失った者達への戒めである」といったような解釈が見られるが 私はなぜかそうは思えない
私には「人間が持つどうしようもない宿命」もしくは「人類の起承転結」のように見えるのだ
普通 教会に飾られる三面画の最後(向かって右側)は「最後の審判」が描かれることが多いようで その代わりとしてボッシュは地獄を描いた なのでこの絵も奇妙だが一応「宗教画」ということにしよう。 そう考えたから500年以上に渡り存続し続けた
でもボッシュが描いたのは宗教画ではないと思う
一番初めに載せた「天地創造三日目」のように 「単に時間経過」を表現したのではないか? とすれば3枚目の地獄も本当に地獄かどうか疑わしい ボッシュにとっては「最後はこんな風になる」と あっけらかんと描いたのではないかと思う
「アダムとイヴが地上で暮らし始めた時点で 最後の絵も決まっていた」
そう言いたかったのかもしれぬ
愛を否定せず 快楽や性的交わりも否定せず 倒錯も否定せず 地獄的終末も否定しない むしろ3枚目の絵にこそ ボッシュのユーモアが遺憾なく発揮されている
だとすれば ボッシュは「本当の法など人の中には存在しない」と言いたかったのかも知れない
中央の絵は「現代」を見事に表現している
kei