kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「偏見」 ‐伝承とか噂話ほど いい加減なものはない‐

古今東西歴史に名を遺した「偉人」と呼ばれる人はたくさんおり 小~高に至るまで「歴史の教科書」に記されている

アイザックニュートン万有引力の法則や微分積分の実績で イギリス科学会では「帝王」だったが 人格としては尊大で他の科学者の研究成果をもみ消したり 邪魔をした 威張りんぼのヤな奴だった

100年後 ウラジーミル=プーチンはどのような伝記として語られるだろうかと想像する プーチンは「ロシアとウクライナは同一である」という歴史観を持っている なのでウクライナが西欧諸国に接近しないために侵攻に踏み切った ということなので彼なりに理由はあるわけでだが 後年やっぱり「悪しき大統領」と評価されるだろうと思われる その最たる理由は3つの「ジェノサイド」による ①侵攻当初 市民を拷問し虐殺したこと ②婦人を強姦し虐待したこと ③2万人の子どもをロシアに連れ去ったこと 他にもあるだろうが これは「思想」とは呼び難い下衆な行為であるため 100年の未来に彼の評価が上がることはない

 

だが1000年以上過去の歴史を辿れば「本当はけっこういい人だったのに悪逆の限りを尽くした暴君」として名を遺していたり 「本当は暗愚で しょーもない人格だったのに偉人」として名を遺している人物もいると思う

昨今よく言われる例としては「ローマ5代皇帝ネロ」は名の前に「暴君」とつけられる程ではなく ローマの大火の時は獅子奮迅の働きをし その後の街の再建設に大きな成果を挙げたと言われている 政敵となってしまった 実母や教師(哲学者セネカ)を殺害してはいるものの 黄金宮殿など後世に残る驚異的な建築物も遺している

では何故「暴君ネロ」という通り名になったしまったかといえば その理由の第1は「元老院との確執」なのではないかと思われる 元老院という組織は 皇帝をシンボルとして市民の前に押し出しながら 気に食わなければ「暗殺に及ぶ」組織である

それはジュリアス=シーザーの場合でも同じであったし

ネロより一代前の皇帝「カリギュラ」は 現存する資料はわずかであるものの 相当イカレた人物らしく 元老院に暗殺されている

…ということは ローマ時代初期は「元老院」が勝手に史実を作り 自分たちに都合が良ければ「賢帝」と賛辞し 悪ければ「暴君」として記録し それを後代に伝えていたことになるまいか

中国の歴代の皇帝の所業などもメチャクチャである

 

あ… 歴史について書きたいんじゃなかった

 

よく「いい人」と言われる人がいる よく「あんまりいい人じゃない」と言われる人もいる でも それも生前そう云われたということだけで 皇帝でもないので1年も経てば忘れ去られる存在である

だから

「いい人」になること そうあろうとすることに さほど拘る必要はないのではないか?

…というより 良き面悪しき面を備えた総体が「人間」なのかもしれない

 

対人関係で悩むことが多い時代が今 でも 実はそれは大したことじゃないという気がする

 

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