kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「第四間氷期」安部公房

2020年12月05日記事

1958年に刊行されたこの小説は 今読んでこそオモシロイ 
大学時代 私は安部公房のファンで 新しい本を見つけるたびに手に入れて読み あまり発行されていない戯曲の台本まで読んだ それらの本のページを開くたび まるで大好きなマンガか 夢物語(悪夢的なのが多いが)の世界に入り込む気分でワクワクした
箱男」「砂の女」「他人の顔」など面白い作品は数知れないが 今タイムリーな小説は?と聞かれたら「第四間氷期」と答える
第四間氷期とは即ち現代期を指す 4番目の氷期氷期の間の温かい時期が 今

ストーリーはある博士が極限を超えたスーパーコンピューターを発明したところから始まる
そのコンピューターにある実験を博士は試みる「サイコロを振る前に 出る目を事前に当てさせる」という実験だ コンピューターは見事に賽の目を当て続ける その時これはコンピューターではなく「別物」だと博士は認知する 「予知能力を備えたマシン・予告機械」
そしてテキトーに選んだ ごくありきたりの一人の男の生涯を予知させることで話は進んでいく
wikiではこのように説明されている

『第四間氷期』(だいよんかんぴょうき)は、安部公房のSF長編小説。「序曲」「プログラム カード No.1」「プログラム カード No.2」「間奏曲」「ブループリント」の5章から成る。日本で最初の本格的長編SF小説だとされている。万能の電子頭脳「予言機械」を研究開発した博士が、実験台として或る中年男の未来を予言しようとするが、ハプニングに見舞われ事態が思わぬ方向に導かれ、やがて「予言機械」による人類の苛酷な未来予測像と、己の運命が明らかとなる物語。受け容れがたい人類の未来が博士自身の予言機械の未来像であり、それに適応するために、己の研究組織により現在の己が否定されることになるというパラドックスと葛藤が描かれ、日常性と未来の関係、現在にとって未来とは何かを問うている。

これを実写化しても アニメにしてもすごく面白いと思うんだが 未だ出ていない なので本で読むしかないのだけれど 安部公房の先見性を十分に堪能できると思う
kei