kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「1000年変わらぬ普遍的な生」

ちょうど今大河ドラマで「紫式部」をやっているが観ていない

式部の時代は平安 中臣鎌足の子孫藤原家が栄華を極めた「貴族の時代」であっただろう 当時の貴族の世界を忠実に再現すればするほど 2024年という現代人は「納得できない。わからない。」ということがポロポロでてくるのではないかと思う

例えば「仏教」が当時の貴族界には広がっていたが 蘇我氏の提案によって伝来したのは6世紀中ごろ 紀元552年と日本書紀には書かれている なので平安時代は仏教が伝わって500年経た頃であり 現代の仏教とは相当異なっている

そして何より「死生観」が違うだろう 栄養が十分でなければ肺炎でさえ死んでしまうし 結核は言わずもがな 当時はマラリアさえあった なので乳児・幼児の死亡率は非常に高かっただろうし 60歳まで生きられれば「長寿」という考え方で「死の感覚とそれに対する生の感覚」も現代とは異なっていたはずだ だからこそ「子をたくさん設けた」ということもあるだろう

それと血統も実は非常に怪しい 天皇家にしろ 将軍家にしろ DNA鑑定ができなかったわけだから「ン代目」の天皇や将軍は自分の血を受け継いでいない ということがあったのではないかと思う。

…と 1000年前と現代では「感性そのものが随分違う」ことになるので ドラマの脚本家は 時代考証担当とじっくり話し合い「現代でも面白く かつ当時の世界観を再現する」ことに頭を悩ませるのだと思う

 

式部の「清少納言」との筆による罵り合いは映像で見てみたい気がするが

源氏物語」が世界の中でも傑作と言われているのには 理由があり それは現代にも通じる「普遍性」ではないかと思う

もう詳しくは忘れてしまったが…源氏物語光源氏の血を受けていない我が子「薫の君」が愛する女性に出家されてしまい 逃げられてしまう それでも何とか苦労して 女性を追いかけ続け やっとのことで再会するものの

女は既に尼の身 さらには男と女の間には川が流れている 橋が架かっていたような気もするが 2人は川の両端から見つめ合うだけで動くことができない…これが源氏物語の結びである

男と女の愛憎について考える時 現代でも尚「同じ」なのかもしれない

野坂昭如の歌った「黒の舟歌」 ♪男と女の間には 暗くて深い河がある~

そうなので あと20年程は紫式部の見立てが普遍的ではないかと考える

 

社会背景が違っても 何時の時代を考えても 今でも 「普遍」を見つけてみたいものだ

kei