kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「美術課題」

最終学年の若い人々には 愉しく 出来れば心に残る美術を体験してもらいたい

なので 私は「次の題材は何したい?」とどの学年でも尋ねることが多い

彼ら彼女らは「スマホ」をほとんど持っていることが多く

他の授業では使用禁止だそうだが 美術では ゲームに興じるのでなければ 画像を見たり 調べるためには必要なようなので禁止していない 休憩時間ならゲームをやっていても止めもしない 「学ぶ」ことに関し このようなことは些末な事だと思うから

そのためか「次は『写真』をやりたい」と言い出した

私はOKした

 

初回は「自由課題」とし 「なんなら編み物でも折り紙でもいいよ」としたので

次回の写真課題は 条件を付けようかと思っている

今考えているのは「光 影(陰) 闇」というテーマ

写真が全く得意でない授業担当者としては自信はないが これを題材としたのは

授業の最初に「①好きなモノ・事はありますか? ②不安なモノ・悩みはありますか? ③何でもいいから一言どうぞ」というアンケートをとったが ②の回答は殆ど記載されていなかった 有に100名を超えているのにもかかわらず…

なぜ書かないかは なんとなくわかる「よくわからない。か 触れたくない 思い出したくない」という感じだろうと思う ひねくれ者の私は だからこのテーマを選んだ

 

写真家「藤原新也」が20代の若者にインタビューを受けた体験を「印度放浪」の冒頭句で述べている

「どうして25歳の時インドを放浪したんですか?」と問う 相手の青年を見ながら「若い人は影も若いんだなぁ…」と感じたという

いろいろ尋ねられ 藤原は最後に理由を吐露してしまう

「……負けにいったんじゃないかなぁ。」

25歳の青年(自分)は 太陽に負け 大地に負け 人に負け 熱に負け 牛に負け 犬や虫に負けていた。青年は汚物に負け 花に負け パンに負け 水に負けていた。乞食に負け 女に負け 神に負け 匂いに負けていた 青年はありとあらゆるものに負けていた…と当時の自分を思い出して「負けに行った」と吐いてしまうと 若者は「な~んだ オマエもタダの青二才だったってことだろ?という尋問を終えた刑事のような満足げな表情に変わった」

 

藤原新也の写真は「光と闇」を知りたる者の写真である

 

私はとりあえずマンホールの蓋を開けて中を撮ろうと思っており いつも若者と競う気満々である

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