kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「煙時計」

タバコを吸いながら 「なぜタバコを吸うのか」を考えていた

「中毒だから」と嫌煙の人々は答えるだろうし 名古屋市内では「指定以外の場所で喫煙すると反則金2000円」と書かれたステッカーがイヤというほど街に貼られていた

 

「盗人にも三分の理」

喫煙者は盗人みたいな存在かも知れないが 三分の理はある

それは ニコチン タールの問題じゃない 「時間感覚」に関することだ

1日は24時間 1時間は60分 1分は…とか それは「物理時間」

人は時間感覚を有しているので 愉しいことは1時間が30分に縮まり

メンドクサイこと イヤなことは 逆に感じる生き物だ

タバコを吸っていると「煙が時間に見える」

 

私の混乱した部屋の中で ゆっくり立ちのぼるタバコの煙

遅くもなく 早くもない 

ただ 「タバコの煙は タバコの煙のように」昇っていく

だから落ち着けるのだと思う

 

あぁ。そっか…「時間ってこんな流れ方をしていたんだっけ」と思い出す

ゆっくりした川の流れを見ても 朝夕開いたりしぼんだりする花を見ていても

そんな風に感じるかもしれない

 

残業で夜中の12時まで働いている人がいる

その人と タバコの煙をボンヤリ眺めている私とでは 大きな隔たりがあるのかも知れない 「時間感覚」が全く違うから

 

だからといってそれは「一時的」とも言える 死ぬまで睡眠時間2時間以下で働き続ける人間はいないし 一生タバコを吸ってボンヤリしている人間もいない

ただ 「時間の流れ」というものが「感覚や精神的・肉体的状況に左右されやすい」としたならば 腕に時計を嵌めていても どれ程役に立つのかわからない いや 役に立つ。「自分の行動を縛るため?」

私は絵を描くし 間違って時計バンドで生徒を傷つけたくないから ここ30年腕時計をしていない これからもっと時間を見る意味を失っていくのだろう…

 

「物理時間」で死んでやるものか。

 

kei