kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「コバンザメの憂鬱」

「憂鬱」と書くと 字を見ているだけで憂鬱になってくる。

今 頭の片隅で考え中のとりとめのない話 不確定な話として 大谷選手の通訳であった「水原一平氏」のことがある

当初の水原氏の発表は「6億8000万の賭けの負債を 大谷選手に肩代わりしてもらった」だったが 後の発表では「一平氏が口座から盗んだ」となっている

その理由は もし前者であった場合「大谷選手も賭けに加わった」とみなされる可能性があるかららしいが…野球一筋の大谷選手がそんなことをするワケないと思われ「大谷選手自身が負債を補った」というのが実際だったのではないかと思う

日本中にグローブをバラ撒く男である 渋々であっただろうが そうしたような気がする なので「情」でそうした。と…

このような場合 成り行きはどうなるのか まだわからないが

私が想像するのは 10mを優に超える「ジンベエザメ」の下腹に貼りついた「コバンザメ」 ジンベエザメは大谷 巨体を悠然とくねらせ海を渡る…その腹には庇護を求め 餌にありつくためにコバンザメが付着する それが水原氏。

よく働いていたようだし 周囲からも好かれていたようだが おそらくは「賭けグセ」は随分以前から持っていて ジンベエザメの収入が桁違いのため コバンザメは7億近くの金をくすねたわけだ

 

何故こんなバカなことをしてしまったのか?

 

これについて色々頭に浮かんでくるが 賭けグセのある者が「違法だと知らなかった」というのは虚言 わかっていたはずだ。でも止められなかったのだろう ただ…これだけでは安っぽいニュース記事の域を出ないので 私は勝手な妄想を始める

 

一つはここ数年間の水原氏の心中である

「通訳」といっても「パラサイト」していたとも言え 大谷選手は資金源であり 偉大過ぎる年下の男であり 野球のためなら努力し過ぎるほどのストイックな男である 海で言えばジンベエザメ 天体で言えば太陽みたいなものだっただろう そのような存在の側に常にいるコバンザメもしくは伴星の心理は「思慕の念と共に嫌悪も増す」可能性はあると思う

これは単純な物理かも知れない 「作用が起こる時 反作用も同時に起こる」「引いて行かれる大石は摩擦力が働く」なので ベクトルは同じ強さと言わないまでも 反対にも働く 強い愛情には強い憎しみが生まれる可能性があり ジンベエザメを見上げて 自分がコバンザメではなくジンベエザメになったような錯覚も抱くだろう…

以前から何度も書いてきたが これを「トリックスター」と呼ぶのだろうし このジョーカーのような心理は原初の時代からあったもの。時には「負け札」となり時には「強力な札」となる両義性を持つ 今回の水原氏のトリックスターは「負け札」として働いた。

 

今 チョコチョコ見続けている トールキン作「力の指輪」を観ていると 人は「争う」のが当然であり 前提のように表現されている 平和は永続することは無く 必ずグラつき壊れ始める ニーチェのいう「永劫回帰」のように 破壊と再生の円盤の上をグルグル回っているだけなのかも知れない いや 時間という存在がある以上 円盤ではなく「螺旋」かもしれず 同じ所を回っているように見えても異なる場所を回り続けているのかも知れない

 

カネが人を狂わせる 

というより「力」かもしれぬ 現代は主に「カネ」というだけの話 それに執着するということは「元々争いの火種」を持っているという事になり この執着がある限り戦争など無くなるわけがない

 

人は元々 生存競争という争いの火種を持つ種なのか

トリックスターが「転覆させるタイミング」を常に覗っているのか…

「憂鬱」よりは「危険な花火」のほうが生きている実感が湧くのかも知れない

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