kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「悪魔の証明」

ハイデガーに言わせると「存在以外ない」ということだろうと思われ 有体に言えば目に見えぬ「重力」などの力を含め「あるモノ以外はこの世には無い」ということになるが 「非存在」という存在の対象自体が無いので「この世界のありとあらゆるモノ・人・動物は絶対的存在」ってことのようだ…

果たして 彼のこの理屈が正しいのか悩ましいところで 138.2億年前に起こったと想定される宇宙の誕生「ビッグバン」 その直後は「物質」と「反物質」が同数存在しており この2つが「融け合う」もしくは「衝突」することで「対消滅」が起こり「無にもどった」という説が唱えられている では何でこの宇宙に天体等物質があるのか?という疑問が湧く 物質と反物質は限りなく同数であったが0.000....1の比率で物質が多かったために 反物質との対消滅が起きず そのまま残ったから。と どこかで見た

 

反物質」ってなんだ? 物理学会では実験によって「ある」と証明されたようだが 当初は推論の域を超えない「悪魔の証明」みたいなものだっただろうと思う

 

ここでやっと「悪魔の証明」の話ができる

 

おどろおどろしいネーミングだが 言っていることは簡単

「悪魔が存在しないことを証明することはできない」ということ

当初のこの言葉は 中世などのヨーロッパの土地などの所有権の問題で扱われていた「この土地は誰のものか?」を裁判などで審議を行うものの 100年 200年遡れば所有者・相続者が膨大な数に膨れ上がる また「○○が所有」という最古の証拠を見つけなければならず 「本当の所有者を決めることは不可能に近い」ということで「悪魔の証明」という言葉が初めて使われた

ただ 現代の用い方は「悪魔がいないこと ネッシーがいないこと 幽霊がいないこと 天国地獄がないこと…これら『ないこと』を証明するのは 『あること』よりも遥かに困難である」と言われている

え?いきなりトンチンカンなことを言ってる。と思われるだろうか? そうとも言えない。これが例えば「浮気をしていない証明」に例えてもよく ごく日常に散在する問題なのである 人は「信じる」という念や言葉によって「証明問題」をうやむやにしているだけで うやむやだから「信じていたのに裏切られた」ということも 結構珍しくもない

 

自然科学の歴史のみならず人類の歴史は

悪魔の証明を『ホントの証明』に転化させる歴史でもあった」

1000年前「暗殺」が起きたとして その犯人を特定するのは 科学が発達した現在と比べて はるかに困難だったはずだ おそらくは「状況証拠」とか「アリバイ」とか「怨恨関係」とかで犯人を捕らえ 首を刎ねていたかもしれず それが「冤罪」だったことも少なからずあったと思われ 罪なき人が死刑に遇った

現代では「監視カメラ」「血液・毛のDNA検査」「指紋」等 犯人を特定できる=「証明できる」手立てが数多くなり 冤罪はグッと減った…現実生活・社会生活ではそうだろうと思う

だが よくよく考えると「悪魔は増えこそすれ 減ることは無い」とわかる

「科学」を例に挙げても 1つ解明されると それによって未解明な事象が10増える

であれば 人間関係や経済も 「時間」という不確定性を孕んでいる以上 「悪魔がいないことを証明しろ」という無理難題を突き付けられ続けることになる

…それとも自宅のトイレの中にまで監視カメラを入れてもらうべきか?

それを民衆が指向すれば そのようになる ロンドンや中国のように

だが「悪魔の証明」は名前や種類を変え 未解決であり続ける

kei