kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「生けるものの血の匂い」

物騒な題名になってしまいましたが 凶悪とか恐怖の意味で思いついた言葉ではありません。

 

「大人の塗り絵」をやっているティーンエージャーに向かって どんな題材をやろうか考えるのは それによって収入を得る者の役目ですので 考えなければ…

「疑似コンクリート画面に落書き」という題材は 突拍子過ぎて最初にやる授業としてはキツイだろうと考え Tiktokを近頃見ています

よくあるのはこんな技法の絵

①同じ場所にいろいろな色を垂れ流す

②それをドライヤーで吹き付け広げさせる

③そうすると「なんかキレイな絵が出来上がる」

 

私も1度実験をしました

各色の濃度や粘りの調整が均等じゃないと上手くいかないみたいですが なんとか出来そうです

 

どうしてこんな題材を思いついたかと言えば

①若い人々は上手い絵がいい絵だと教え込まれ続けた それには高度な技術が要ると思っている 

②キレイな絵がいい絵だと思い込んでいる

まず この固定観念を取っ払わなければいけません なので「自分が納得できる まぁ…キレイな絵など簡単に描ける」ということを経験してもらおうと思いました

 

ちなみにスランプ状態の今の私の絵はこんな状態

まだどこに向かうのか どうなるのか 全然わかりません

 

ただ一つTikTokで動画として紹介されている作品には 何か一つ大事なモノが欠けている気がしました キレイさと裏腹に「生きた人間らしい血の匂いがしない」んです

ただ キレイなだけ。

別に「赤い絵」を描けば 血の匂いがするかと言えばそうではないと思います

たとえ「白黒」でも それを感じることができます

いわゆるイジメによって 旭川で命を絶った「廣瀬紗綾」さんは イジメの中でこの絵を描きました

夢想と願いと絶望と悲しみが込められた「生けるものの血の流れる絵」

囲われ 行き場のないファンタジックな世界の真ん中あたり 小さく描かれたテルテル坊主が当人でしょう…首を吊っています

 

TikTokでは画面を回転させ絵具をぶちまけて 偶然の美しさを狙っている絵もありましたし レジンという透明で様々な色を混入した後凝固させ木材と組み合わせ机なり ランプシェードを作っているのも見ました どれもキレイな仕上がりです

でも 血の匂いがしません。 いずれコンピューターに取って代られる美しさ

現代社会では見抜くのは難しいでしょう

 

「人間にしか描けない絵」とはどういうものなのか… 

その一つに「生けるものの血の匂い」があるのではないかと思い始めています

 

kei