kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

赤ちゃんに『深層心理』ってあるんか?

今 大学で「障害児教育」の講義を担当している娘が 一度講義をしてもらえるか?と私に声をかけてきた 29年間特別支援学校で生徒を相手していた身としては いろんな経験をし 様々なことを学んだ だから退職時 生徒達への挨拶は「先生と言われていたけど 大切なことを教えてくれたのは皆さんだったから 私にとって本当の先生は皆さんだった」と話した 生徒たちは「ポケ~ッ」とした顔をいていたけれど…

先輩や同僚や管理職の人々に教えてもらったり 助けてもらったりしたことはもちろんたくさんあったけれど 学ぶ対象は 知的や情緒 肢体不自由を有する いわゆる「障害者」と呼ばれる人々だ それは 指導や支援をするためよりも「仮面をかぶらない素顔の人間」とはどういうものなのか 教えて貰ったのだと思う

その業務を終え 今は高校で美術を教えているわけだけれど 困ったことに「障害児教育」と「高校という後期中等教育」の違いがよくわからなくなってきた

というか 自分なりにとして両者の相違を考えれば「1つの段階上にあり 相違は高さの違いとして考えてもいい事柄」だと思うから…

(但し 情緒障害 精神障害等 精神病理に関しては同じ階段として語れることが出来ないかもしれませんが)

少子化が加速している中 特別支援学校の児童生徒数は増え続けてる

理由は歳を経る毎に「障害名や病名」が増えていくからである

昔は「ヘンなヤツ」と言われていた同級生が「アスペルガー症候群」という診断を受けて特別支援学級や支援学校に移動させられる ヘンなヤツと呼んでいた頃には イジメもあったかもしれない しかし「障害者」と相手を認知すると 皆手のひらを返したように優しくなる LGBTも然りだが 認知の変化によって 冷たく当たったり 優しくなったりするというのは一体どういう事だろう…これは世界中で起こっていることだけれども。 

 

「健常者」という言葉がある

「障害者」の対義語と用いられやすい この言葉は「危うい言葉」だと思う

 

何故なら「健常者」と「知的障害者等」の違いはハッキリしておらず グラデーションの色の濃さの違い程度だと感じるからだ グラデーションを敢えて5.6つに切り分けて考えると

0段階 生後5か月程度の赤ん坊 ア~。ウ~。それから泣く

1段階 個体の中でいわゆる「内言語」が生じ始め それがはじけてママ

と言えるようになる

2段階 簡単な会話ができるようになるが まだ文字は書けない

3段階 文字を覚え言語を使い始める 

4段階 文字や言語で考える習慣がつき 抽象的思考もできるようになる

(…言語だけではなく「認知」の問題も含めればもっと増えて さらに複雑になるのだろう 今流行りの「メタ」という言葉 例えば「メタ認知」「メタバース」つまりは「さらに高または別次元の認知や世界観等」)

…と書き並べても どの段階を「健常者」と呼べばいいのか どの段階を「障害者」と呼べばいいのかよく分からなくなってくる

自閉症スペクトラム症候群」「ダウン症候群」 これらは社会的に「障害」と言われているが 人である限り「その人はその人」であり「素顔ゆえに個性がそのまま言動となって顕れているだけ」とも見える

なので段階こそ違え「健常」「障害」などと白黒つけられるモノではない

ただし 社会生活において これら段階の中で大きな分岐点はある様にも感じる それは「言語」

大方の人は人間は言語を用い 概念を作り上げ 生活するようになった

それが「実際の行動や生活」にスムーズに反映されていれば それに越したことは無いのだろうが 人間関係 環境 世相等が変化する中で不整合が生じることはよくあることで それをフラストレーションなどと呼ぶ場合もあるし 更に高じると「心の乖離」が起こる そこでフロイトは「深層心理」のような心の2重構造のようなことを言い始めた 笑っているのに楽しくない 幸せなのに絶望してる… 4段階以上に位置する「健常者」はこのような苦しみを持ち始める

う~ん。これって健常? かどうかは知らないが「言語による認知・思考」が関係していると 私は思う

 

だから おそらく生後5か月の赤子には「深層心理」はないと思う  未分化と言ってもいいかもしれない

 

将来 特別支援の業務に関わるだろう大学生の皆さんは マニュアルを読み込みセッセと学んでいることだろう それは試験の合格には役立つが マニュアルという4段階以上の思考と認知が 0~3段階にある児童・生徒に上手く適応させられるかどうかは難しいところだろう

その点「母親」でもある先生は 子育ての経験から自然と適応できる人が多く かなわないなぁ~。と感じることが多い

kei