kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

リバイバル記事 谷川俊太郎 「月のめぐり」

 

月のめぐり menstruation
                   

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ひとの中で誰かが祭りのための料理をする ひとの中で誰かが見知らぬ息子を彫刻する 
ひとの中で誰かが怪我をする


 
神の掌

創ることに不器用に傷ついて 今もそれを忘れかねている

 


〈こんなに規則正しく 私の中で華やかな葬いがある 祝いの色で悼まれるものたち 傷つくことも死ぬことも出来ずに無へかえつてゆくものたち 私の若すぎる子供たち・・・熟れた月はおちてくる 誰もそれを受け止めない 私は待つ 私はひとりで冷たいところにしやがんで待つ 月に種子をまくものを 満ちた潮を奪うものを もう誰の思い出かも解らぬ私の中の傷をいやすことができずに〉

 



・・・・・・生きようとするものを岸の方へいざないながら ひとの中に潮が満ちる 
ひとの中に海がある 月の呼び 月のめぐるまま ひとの中に終わらない暦がある・・・・・

 

行間の美しさよ…   なんで男なのに こんな詩書けるんだ?