kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「名前のない〇〇」

今日はスタートが遅く 外に出たのは朝6時近かった 日に日に日が長くなっていくので 沖縄と言えど6時前は明るく 色の識別もできる

いつも通り 海浜公園の歩くところは歩き 走るところは走った そして走った後は 今日もこの写真「岩石爺さん」とすれ違うわけだ 顔もチャンと見たこともない ただし「着ている服はいつも同じ」 晴れだろうが 小雨だろうが 熱かろうが 寒かろうが 漁師がよく着る「同じジャンパーとズボン(と長靴?)」

ただし今日通りかかった時は 緑色のジャンパーの男と話をしていた 爺さんよりは若年と思われる 若い爺さんは 爺さんに教えを乞うているのか それとも「漁の相談でもしているのか」…後者であれば「爺さんは今も現役の漁師」ということになる

沖縄には「サバニ」という船がある 本来は丸太を刳り抜いた不安定な船

近海での漁ならコイツを使って1~3人程度で漕ぎ出すのだろう 強い突風に煽られ転覆でもしたら二度と帰ってこられなくなることもあったはずだ

私は爺さんの顔を見ることが出来ない 多分クシャクシャの顔だろう

当然尋ねることもできない 

「あなたの職業は何ですか?」と尋ねられるワケがない あまりに愚かしいから

爺さんにとって「海での労働」は「職業」ではない 働いているわけでもない

ただ 朝真っ暗の内から海を眺める 身じろぎをせずただ見ている

漁に出ても同じだろう…爺さんにとっては「職業」とか「労働」などど呼べぬほど「染み付いている」のだ

爺さんは海で死ぬことも考えない 海で生きることも考えていない

おそらく「あと何年」とかも考えていない

これを「天職っていうんですかね?」と爺さんに尋ねたら

ただでさえ口下手なウチナーンチューだ ゴニョゴニョ呟いて終わりか「……わかんねぇなぁ。」と答えるだろう

 

名付けなど必要のないもの。

職業を言えれば それは「演じているに過ぎない」のかも知れない

ホンモノには本来 名前などない


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