kei 「蜘蛛の糸Ⅱ」

2023年3月退職 後の生と死を「絵と言葉」で考えたい…4月からは「画家」か?「肩書を持たないただの人間」として生活していこうと考えています。

「言葉は呪い」

「呪いの言葉」じゃない 言葉は良かれ悪しかれ「呪い」みたいなもの

「呪い」と言うと おどろおどろしいイメージに繋げてしまいがちだが(AIで調べても良くない事ばかり載っていたが)

時間の流れの中にありながら 『人をある感情や思考と言ったモノで釘付け状態にする』という点で 「腐敗」と「発酵」が同じ化学変化であるように 言葉は 自分に都合が良ければ「励ましとして」「座右の銘として」脳に記憶され 不都合であれば「嫌な記憶」「トラウマ」として残る

どちらにせよ 止まることのない川の流れのような「時間」を「固定」しながら生きているのが人間の生であり 言葉は言霊 広義にとらえれば呪いとさして変わらないのだと思う

 

だから今の私は「呪い」を吐き出し続けているわけだ…

 

そう言えば昨日 数年ぶりに映画館で映画を観てきた 60歳以上は700円安いことに驚いた 観たのは『機動戦士ガンダムSEED フリーダム』で「機動戦士ガンダムSEED」の頃から観ていたので 完結編はヤッパリ観ないと…という事で観たが

一番印象に残ったのは ヒロイン「ラクス・クライン」のパイロットスーツ姿と無類の強さだった

続編を入れると100話程になるこの作品 故両澤千晶氏が考えただろうプロットはよくできていると思った この頃には宇宙コロニ―に億の人口の移住者が存在しており 人為的に遺伝子操作が可能で「飛び抜けた身体機能 病気に罹らない肉体 高い知能 そして希望の容姿の子まで作り上げることができる」その結果生まれた人々だけが住むコロニー群さえ存在する 但しそのためには「高額な資金が必要」で 財力によって「人工的優良人間=コーディネーター」を生み出せるかどうか篩にかかってしまう なので当初から「歪んだ舞台背景」であったことは 後に戦争へと繋がる当然の伏線(伏せてない伏線)であった

ただ この人類選別社会構想は 1932年 もう80年以上前にハックスリーの「すばらしい新世界」で提示されており 一つの受精卵から1体しか作られないα階層はコーディネーター如き 社会の最上階層 最下層のε(イプシロン)は 受精卵が96に別れた時バラバラにされ 「96つ子」という 最下層の労働者階級である ただし60歳になればαだろうがεだろうが「転換炉」に放り込まれ カルシウムの粉末に転換される 幼い時から「睡眠学習」で自分の階層や労働に疑問を抱くことは無い また「無意識下に溜まるフラストレーション」を考慮してか「ソーマ」という合法麻薬が だれでも簡単に手に入れられる

…この物語は興味があれば読んでいただくとして 「機動戦士ガンダムSEED」は 今日的 近未来的であるから面白味があったものの 「デスティニー計画」というα~εのような階層振り分け社会を「自らの適性や能力がAIによって判定され それに応じた学習と職業が与えられる完全平和の社会」とストーリの後半で謳いだし 主人公達は「自由」の名のもとにその思想を敵として挑むことになる

… う~ん。私が中学生くらいならディレンマの中でハラハラドキドキできるかなぁ

「時間は流れ続ける なので 人間は変わり続ける」

パラドキシカルだが これが私の呪いの言葉である ニーチェの言う通り「グルグル回るだけ」かも知れないが…

優良人間を作るために人を選別したことが「戦争の原因」であることは明白で 「デスティニー計画」などというセコい計画じゃなく「誰しもタダでコーディネーター」にしてしまえばいいだけの話 ならばコーディネーターの中でも100m 7秒で走る者と5秒で走る者 という「競争原理は働き続けたまま」となる なら現代と同じじゃん。

ナチュラル」遺伝子操作を非難し拒む者 当然いるだろうと思うが 「倫理」も時間の流れで変容する頼りない代物 

 

時間の流れと共に人は変貌していくことは確か

「言葉の呪い」で磔に出来る程 容易なことじゃないと思う

 

kei